目が覚めると立山連峰 東京〜室堂の直通高速バス 夏季限定で開設 前泊不要ですぐ登山へ

東急バス(本社:東京都目黒区)のグループ会社で高速バスなどを中心に運行している東急トランセ(同)は、富山県の立山・室堂まで首都圏からダイレクトに結ぶ高速乗合バスを夏季期間限定で運行します。

高速乗合バス「東京〜立山(室堂)線」に使用予定の東急トランセの高速バス車両(画像提供:東急トランセ)
高速乗合バス「東京〜立山(室堂)線」に使用予定の東急トランセの高速バス車両(画像提供:東急トランセ)

立山黒部アルペンルート「最高地点」に直通

標高約2,450mに位置する室堂ターミナルは、3,000m級の山々が連なる北アルプス立山連峰の登山口として知られています。目の前に広がる雄大な山々の美しい景観、色とりどりの高山植物など、まるで別世界のような大自然が訪れる登山客や旅行客を魅了しています。

室堂は、富山県と長野県を結ぶ世界的知名度のある山岳ルート「立山黒部アルペンルート」の最高地点です。首都圏から室堂へ行くには、まず新幹線や高速バスなどで富山市または扇沢(長野県大町市)に向かい、アルペンルート内の乗り物を乗り継いでアクセスするのが一般的です。

認可申請中の「東京〜立山(室堂)線」は、東京駅(丸の内南口)、渋谷駅(渋谷フクラス)、新宿(歌舞伎町)、池袋駅(東口)の各主要ターミナルから夜時間帯に乗車すると、翌朝7時に立山連峰の玄関口・室堂に到着します。登山のための前泊が不要となり、乗り換えの手間もかかりません。朝、目が覚めると美女平から室堂まで広がるすがすがしい山岳の景色をさっそく楽しむことができます。

東京からの夜行便に対し、立山からの帰りは室堂12:00発の昼行便で、東京各ターミナルに夜到着する珍しい設定です。東急バスによると、山岳エリアという目的地特有の利用動向を踏まえ、共同運行会社の西武観光バス(本社:埼玉県所沢市)、富山地方鉄道(本社:富山市)と調整しながらダイヤを決定したとのことです。なお、往路・復路とも途中、複数箇所のサービスエリアで休憩が設定されます。

(夏季限定の高速バス「東京〜立山(室堂)線」の運行期間、時刻、運賃、座席イメージなど詳細は下の図表を参照)

【時刻表で解説】夏季限定の高速バス「東京〜立山(室堂)線」の運行期間、時刻、運賃、座席イメージ

登山客だけでなく観光にも便利

運行期間は東京発が2023年7月14日(金)〜8月30日(水)、立山発が7月15日(土)〜8月31日(木)です。予約受付は6月下旬からの予定で、インターネット予約サイト「発車オーライネット」で全運行日の予約ができるようになる予定です。使用する車両は4列シート車で、Wi-Fi環境、充電用設備、車内トイレ、大型トランクなどが装備されています。

運賃は乗車日により異なり、東京発は17,000〜19,000円、立山発は12,000〜13,000円(いずれも大人運賃)の範囲内です。一部の乗車日を除き、14日前までにWeb予約・決済を完了すると1,000円引きになる「早割」も設けられます。なお、当日空席のある場合は予約なしでも乗車できますが、その場合は一律20,000円の車内精算運賃が適用されます。

東急バスの広報担当者は「都内を夜出発すると翌朝、立山に着いてすぐに行動開始できる直通バスの存在を多くの方に知ってもらいたいです。登山愛好家の方々だけでなく、立山黒部アルペンルートの観光にも便利なので、幅広く利用していただきたい」とコメントしています。

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